2000年5月5日金曜日

シチリア一週間: アグリツーリズム体験、ワインを買いに。

バールでパンを買ったり八百屋で果物を買ったりすることはできたけれど、農園の周辺にはレストランや食堂は無かった。「ここでは地元の料理は食べられないなあ」と残念に思いつつ、「これだけぶどう畑があるなら地元のワインくらい売っているのではないか」という考えが浮かんだ。バールのお姉さんに聞いてみると、確かに近くに地元のワイン屋があるという。そしてその会話を近くで聞いていた農家の青年が、そこまでトラックで乗せていってくださることになった。シチリア人は本当に親切だ(涙)。

「地元のワイン屋」ってフランスのシャトーみたいな所なのかなとワクワクしていると、小さなぶどう園の門の前でトラックが停まる。そこには「Locale Vino」という看板を掲げた石造りの小屋があって、呼び鈴を押すと紳士が出てきてくれた。小屋の中には二つの大きな樽があって、木の樽には赤ワイン、プラスチックの樽には白ワインが入っているというシンプルなつくりの様だった。「『地元のワイン屋』って観光用のシャトーではなくて、地元の人たちがワインを買う場所ってことなのね」と、思わず感動する。



ワインは上司へのお土産に買うつもりだったので「瓶に入ったものは?」と聞くと、はかり売りしかないという。「日本に持って帰りたいんです」と言うと、ペットボトルに入れてくれて「蓋をテープでしっかりとめれば大丈夫」と言っていた(笑)。結局飛行機に乗せられないので農園で飲んで終わったけれど、樽から汲みたてのこのワインは本当に美味しかった。1ℓ400円くらいだったけれど、とてもふくよかで香り高く美味しい。このあたりのワインはエトナ山の肥沃な土地とシチリアの太陽の恵みを受けた「エトナワイン」として、とても人気があるそうだ。また思いがけない感動に出会えた事、、そしてこの親切な農家の青年にとても感謝した。