2000年5月5日金曜日

シチリア一週間: アグリツーリズム体験、オレンジ農園の散策。

翌朝、明るくなってみると、GIADAはオレンジ農園だということが分かった。あたりは一面オレンジの木で何もない。昨晩GIADAがなかなか見つからず、タクシーの運転手さんに「日本からこんなところに何しに来たんだ」としきりに不思議がられたけれどそう言うわけも分かる...と、思わず納得する。


GIADAの後ろではエトナ山がそびえていて、ゆらゆらと煙をたなびかせている。海のそばに山があって、何だか八海山みたいだな、と思った。GIADAの敷地はとても広く、奥の方は林の様になっていたり、ジャガイモ畑になっていたり…。どこまでも敷地が続いていて、遭難してしまうのではないかと思うくらいだった。


小腹がすいたのでオーナーのところへ行ってみるとGIADAは食事のサービスはしていなくて、宿泊客は皆、自炊をするのだという。アグリツーリズモは食事付のホテル型と、自炊するアパート型に分かれる。ここは後者のタイプの様だった。他の滞在客は家族連れが多く、ここを別荘がわりに拠点にして、車でエトナ山やタオルミーナをドライブしたり、夏は海水浴をしたりして楽しんでいる様だった。私は車もなかっので移動が大変だったけれど、複数で来てレンタカーをかりてここを拠点にあちこに行くのも楽しいのかもしれない。

私は実は料理が出来ないので、オーナーに打ち明けると、近くにバールや八百屋があるし、駅から電車に乗ってタオルミーナに行けば、レストランはたくさんあるよと言っていた。「ちなみに、畑のオレンジならいくらでも食べていいよ」とも言ってくれた。ここのオレンジはもちろんシチリアのブラッドオレンジで、これは日本のスーパーで売っているのとは比べ物にならないくらい瑞々しい。お腹もすいていたので思わずガツガツ食べてしまった。

ご飯らしきものも食べたいなとバールや八百屋に向かってトボトボ歩いていると、ジャガイモ畑で農作業をするおじさん達が「ボンジョルノー」と集まって来る。このあたりではアジア人が珍しい様で、おじさん達は「持っていけ。持っていけ。」と、ジャガイモをたくさん袋につめてくれた。「実は料理ができなくて」と話をしてもどんどんジャガイモをつめてくれる。「ジャガイモを水にさして料理すると何ともうまいよ」というらしきことを言っていた。結局ジャガイモは調理できなかったのでオレンジ園のオーナーにあげてしまったけれど、シチリア人は親切だな...と感動した。