翌朝は暗いうちから起きて、ナミビアのハイライト、ナミブ砂漠へと向う。ナミブ砂漠は日中60度もの猛暑になるので、ゲートが開く6時に入って、気温の低いうちに朝日を見ながら登るのがおすすめなのだそうだ。
ゲートを抜けてナミブ砂漠が現れると、ナミブ砂漠は、思った以上に赤くて、美しくて、幻想的だった。サハラ砂漠に比べて赤っぽい砂が、朝焼けに照らされて真っ赤になっている。空の青とのコントラストで、砂丘の赤が一層映えてとても幻想的だ。目の前の光景がまるで現実じゃないみたいなという感じすらした。どこかで見た景色だなと思ったら、映画「猿の惑星」にも使われた場所なのだそうだ。あれはロケ用のセットじゃなくて現実の場所だったんだな。
ナミブ砂漠では「DUNE45」という砂丘が有名なのだそうだけど、ここは人が多すぎるという様で、夫妻に引率していただいて、別の穴場の砂丘に登る事になった。そういえばどこかの旅行本にも「DUNE45は人が多すぎて落ち着いて砂丘が見れない」って書いてあったし、実際この日もたくさんのバスが止まっていた。一方で、ご夫妻に連れていってもらった砂丘は、だだっぴろい中に私達しかいない。シンと静まり返った中で、誰の足跡もついていない美しい世界に浸る事ができた。
ナミブ砂漠の美しさに浸る事もつかの間、今度はいよいよ砂丘を登る事になった。砂丘は下から見ても十分美しいけれど、頂上から見る景色もまた格別なのだそうだ。この登るという作業が思いのほか辛い。ナミブ砂漠の砂は日本の砂浜と違ってとても乾燥しているので、砂の中でもがいている様な感じになってしまい、二歩進んでは一歩さがってしまう。ゆっくり登るとどんどんずり落ちてしまうので、勢いよくいかなければならず、想像以上体力がいる。モンベルのお姉さんに「砂丘に行くなら」とすすめられ、紐なしの靴を買ってきて良かったなと思った(裸足が最も上りやすいけど、気温が高くなると裸足では歩けないので靴が必要になる)。それから、砂丘を登るなら、絶対に水を忘れてはいけない。日の前後は涼しいので大丈夫かなと思ってしまうけれど、日が昇るにつれてもの凄く暑くなって喉もカラカラになる。一人1ℓくらい、必ず持参する必要がある様だ。(実は私は水を忘れてきてしまい、皆さんに少しづつ分けていただく事になってしまった。持つべきものは旅の友よ)。